今日も今日とて、自宅で安静にしていた。安静というのが非常に難しく、ひたすら寝ていた。死んだように寝ていた。終日屍のように、絶対臥褥期（by森田療法）の勢いで寝ていたが、さすがにそれはマズイと思った。そうだ、住民票を取りに行こう。窓口が閉まる17時までに行こう。その帰りに散歩でもしよう。
そう思い立ったが、寝すぎたせいか割としんどい頭痛に見舞われた。ああ、本日も住民票は諦めるか、とまた寝込むことも考えたが頑張って行くことにした。歩いていれば頭痛もおさまるだろうと。いつもこんな感じ。自己調整はいつも二の次。
無事、目的は達成しその帰りにだらだら散歩。カフェでも寄ろうかと思ってPCや本を持参していた。しかし、なかなか頭痛はおさまらない。歩けど歩けど良くならない。不調をきたすと、精神的にもしんどくなるもので。散歩しながら自宅安静を目指した。そんなとき、電話が。
歩きながら他愛もない話をする。でも、しんどい。頭痛が止まらない。いよいよしんどくて、裏道の邪魔にならないところでしゃがみこんで話した。その後、電話相手も買い物など用事があり、一旦電話を切るも、再度通話していた。頭痛はおさまらない。家まではまだ少しある。もうさすがに歩きながら電話してるのがしんどくなって、私が発した言葉。「そろそろ（あなたの次の予定の）時間じゃない？大丈夫？」
これだ。これこれ。なんで普通に、「ごめん、頭痛がひどくなってきたから切っていいかな？」とかって言えないんだろう。言えないんですよ。この変なコミュニケーション。だいぶ減ったけど、やりがちなんだよね。特にこういう、頭が回らなくて余裕がないときね。
だって、こんな言い方されたらさ「あ、電話切りたいのね。そう言えよ！」って思うよ。普通に言えよ。そうです。それが、なんかとっさのときに出てこないんですよ。特に自分が不調で、それを理由にするようなとき、なんだか後ろめたい。自分が相手を欺いているような、謎の感覚が生じるんだよね。まぁ理由はわかってるんだけどさ。いつもこうやって他者や環境を優先してきた。
こういう反射的な自分の中の反応があり、時々変なコミュニケーションを発してしまうことが本当に嫌になる。同じような言い方する人に対しても、自分への嫌悪感を重ねてしまうことも気づいた。「普通に言えよ」と思う。自他に向けられる否定感。そんなことを歩きながら考えたりした。まぁ、その後カフェで休憩して、だいぶ回復したため無事帰路についたわけですが。改めて己のこじれた表現力を自覚することになったのでした。
己の変なコミュニケーションについて考えだしたら色々気づく。やはり自分のコミュニケーションの癖は、言いたいことを率直に伝えられないという点だろう。相手を主語にして自分の希望を歪曲して伝えるという、無駄で遠回りなコミュニケーション。
自分が体調悪くて電話を切りたいのに「そろそろあなたの予定の時間ですよ、大丈夫ですか」みたいな。相手の都合を引き合いに出して自分の望みを実現するという無駄コミュニケーション。アイメッセージはもちろん知ってるよ。
変なコミュニケーションは歪んでいる。素直さがない。自分を主語にして、単に自分の希望を伝えればいいだけなのに、それがこじれて、主語を自分以外の何者かにして歪曲して自分の意志を伝えるという無駄なことをしている。これは自己主張ができないってことなんだよな。
大人同士の社会的な場面であれば、お互いがお互いになんとなく察して、こんな変なコミュニケーションでもなんとか乗り切れてしまうこともある。でも、私的で身近な関係では問題のモトになりがち。親密な関係では、むしろ自分の希望を率直に伝えられるということが公平で安心感のある関係になるのに。
あと困るときが、周りの人に助けてもらったときの感謝の気持ちを伝えるとき。気持ちとして、感謝とかたじけなさを伝えるとき。病気を患い少し仕事を休むことがあった。休む前に職場の人には事情を話し、とっても気遣っていただいたし、休みがあけて仕事に復帰したあともとても助けてもらった。ただ、迷惑をかけている身分、自分の負担を他の方が代わりに請け負ってくれているという罪悪感が強過ぎて困っている。
感謝の気持ちでいっぱいになる以上に罪悪感と自責感が強くて、何もできなくなってしまう。コミュニケーションで調整するより、自分を無理強いさせた方が楽みたいな感覚が強い。でも言葉としては、感謝の気持ちを伝えるのが適切だと思うけど罪悪感で頭の中でぐるぐる回る。気の利いた言葉が出てくるはずもなく、あわあわ、ふらふらする。
自分の気持ちを伝えることに大きなためらいを感じる。そういうことはずっとある。ためらう気持ちの方が強くて言葉が出ない。優しさを差し出されたときに、もじもじしているような感じ。受け取ることが下手なんだな。
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